空 を 飛 ぶ 男
幻 想 へ の 旅 立 ち
偶像から心を解き放たれた者たちは 
夢を追いかけていたあの頃の自分に 
もう一度戻りたいと期待を胸に抱く
 今の場所から飛び立つ為の 
翼が自分にはまだあるのだと
それを信じて疑わない
希望の灯を照らし
目の前に続く階段を
 一段一段踏みしめながら
今旅立ちの瞬間を迎えようとしている
ゆ が ん だ 街 を 行 く 男
社会も街も人の心も
法や秩序や人を慈しむ愛の形まで
全てを取り巻く時間の流れも
世界の全てが歪んで見える
それら歪めて見て居る私自身が
歪んでいるんだ
風 に な り た い …
わたしは数千年の昔から
時に流れる風になりたい…
社会や時代の流れとは無縁の場所で
時には激しく、時には優しく…
自由気ままに流れる
そんな風がわたしは羨ましい…
あ の 時 を 過 ご し た 街 に …
大切な思い出が眠る街
わたしが生まれ育った故郷
今はもう帰ることの出来ない
わたしの心の中にだけ生きている
思い出の中の思い出…
父 が 居 た 時 間 へ …
今なら父さんの
あの頃の想いが分かるような気がする
帰って来たよ
僕はあの時のこの時間に
父さんを超えるために…
薄 荷 水 に 溶 け 込 ん だ あ の 街 の 記 憶
今はもう海に沈んだ孤島の街
わたしが育った思い出の街
カフェのテラスの景色
エメラルドに反射する海の色
さざなみの音を聞きながら
飲んだ薄荷水の爽やかな香り
氷の欠片を炭酸の泡が覆い
蒸発していくその美しさは
まるで水晶の輝きのようで…
あの頃の景色は
心地の良い記憶として
瞼を閉じると思い出される
雲 に な り た い …
生まれ育った街を見下ろせる
空に浮かぶ雲になりたい
子供のころ草原を走り回り
お花畑で草花をつみ
学生時代を過ごした故郷
初めて恋をしたのも
失恋したのもこの街だった
大人になって沢山の街を
渡り歩いたけど…
結局この街に戻って来た
わたしが死んだら
生まれ育った街を見下ろせる
空に浮かぶ雲になりたい
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